2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05191
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
水谷 房雄 愛媛大学, 農学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RUTTO Laban Kipkoriony 愛媛大学, 農学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | モモ / 連作障害 / いや地 / 菌根菌 / 胞子形成 / 根抽出物 / 液状活性炭 / 生長抑制 |
Research Abstract |
モモは連作障害(いや地)を起こすことが知られている。そこで、菌根菌を感染させたモモと感染させてないモモの実生を用いて、モモの根抽出液をモモ実生の根に与え、さらにこれらの処理に液状活性炭処理を加えた実験区を設けた。モモの根抽出物は、菌根菌の感染の有無に関係なく、実生の生長を抑制した。菌根菌を感染した実生では感染してない実生に比べて生長量が大きかった。液状活性炭処理は、根抽出物による生長抑制効果を軽減する傾向が見られたが、他方、菌根菌の感染も抑える傾向があった。菌根菌を感染させた実生ではPやCa含量が高かった。菌根菌を感染させなかった実生では、感染や胞子は観察されなかった。感染した実生では、処理間に感染率や胞子数に違いは認められなかった。液状活性炭を処理しなかった実生では、根抽出物処理によって、胞子数の増加が見られた。 次に、あらかじめ菌根菌を感染させたモモ実生と感染させてないモモ実生を、モモが植わっていた跡地に植え付け、実生の生長、菌根菌の感染、胞子数などの変化を調査した。対照区として、跡地に穴をあけ、近くのモモが植わってない土壌を搬入した区を設けた。菌根菌の感染の有無に関わらず、モモ跡地での実生の生長が抑えられた。全体的に、モモ跡地では、菌根菌の活動は低く、胞子の密度が高い傾向が見られ、対照区ではその逆の傾向が認められた。 さらに、モモの切り株の近くと2m離れたところに、モモの実生を植え付け、実生の生長と菌根菌感染率、胞子形成を観察した。切り株の近くに植えられた実生は生長が抑制され、菌根菌の感染率、胞子形成も低かった。ポット試験でも、モモの根残渣を加えると、実生の生長を抑制し、菌根菌の活動を抑える傾向が認められた。 以上のことから、モモの連作障害では、根の残渣が菌根菌の感染率や働きを抑制することを通して、改植樹の生長を抑制している可能性が示された。
|
Research Products
(2 results)