2005 Fiscal Year Annual Research Report
キボシカミキリにおける変態の分子レベル制御に関する研究
Project/Area Number |
05F05194
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 幸男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MUNYIRI Florence Njeri 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | キボシカミキリ / 変態 / 休眠 / 発育制御 |
Research Abstract |
絶食によって早熟変態が引き起こされるメカニズムを内分泌学的に明らかにするため,血中JH濃度及びエクジステロイド濃度を摂食期間と絶食期間の両方にわたって測定した.通常の摂食状態にある4齢幼虫は,JH及びエクジステロイド濃度の変動パターンにより2つのグループに分けることができた.第一グループでは13日間の摂食期間中、JH量は1.2ng/mlから2.1ng/mlという比較的高い値の範囲を変動した。第二グループでは,初期には第一グループと同様に高濃度を示したが,その後低下し続けて,13日目には0.1ng/mlという低濃度になった.エクジステロイドに関しては,第一グループでは10日齢に43ng/mlに達するピークを示したが,これは約半数の幼虫が5齢への脱皮をする時期(13日齢)とほぼ一致していた.第二グループでは,蛹化への運命を決定づける(コミットメント)と考えられる14ng/mlの小さなピークが14日目にみられ,17日目には70ng/mlの大きなピークが観察された.この2つ目のピークは約半数の個体が前蛹になる時期と一致していた.4齢幼虫を4日間の摂食ののち絶食条件下におくと,JH濃度は24時間で急激に減少し,以後、回復することはなかった.また、6日齢には小さいが有意なエクジステロイド濃度の上昇が見られ,11日齢には63ng/mlの大きなピークが見られた.これらの結果から,絶食状態はJH濃度を速やかに低下させ,この刺激が一つ目の小さなエクジステロイドのピークを引き起こすことで幼虫の早熟変態が決定づけられている可能性が示唆された.
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Research Products
(2 results)