2005 Fiscal Year Annual Research Report
微生物による有用カロテノイド生産のための探索および分子生物学的研究
Project/Area Number |
05F05198
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
別府 輝彦 日本大学, 大学院・総合科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ASKER Dalal 日本大学, 生物資源科学部, 外国人特別研究員
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Keywords | カロテノイド / 発酵生産 / 微生物 / 探索 / 分子生物学 |
Research Abstract |
自然環境から採取した主に水試料(淡水・海水)を平板培地に塗布して培養し、微生物をコロニーとして分離した。そのうち、カロテノイドに特有の色素性状を呈したコロニーを選抜し、純粋分離した。得られた生産菌は培養菌体から定法に従ってカロテノイドを抽出し、適宜前処理を行った後に高速液体クロマトグラフィーを用いた逆相カラムクロマトグラフィーによりカロテノイド分子種を同定した。また、菌体からゲノムDNAを抽出して定法に従って16S rDNAを取得、塩基配列の決定を行い、その配列に基づいた系統解析の結果から生産菌の分類学的位置を推定した。 主に神奈川県において採取した淡水(川や池の水など)を分離源として得られた生産菌のうち、アスタキサンチンを生産した30株について16S rDNAの解析を行った。その結果、BrevundimonasとErythrobacterに分類される菌群がほぼ同じ割合で存在していることが明らかになった。 また、下田および江ノ島から採取した海水を分離源として得られた生産菌のうち、ゼアキサンチンを生産したもの29株について16S rDNAの解析を行った。その結果、20株がFlavobacteriaに近縁で、分類学的に新規な株であることが強く示唆された。 世界有数のラジウム鉱泉として知られる三朝温泉(鳥取県東伯郡)界隈において採取した試料から上記と同様に生産菌の分離と分析を行った。その結果、SphingomonasやDeinococcusをはじめとする、これまでにカロテノイド生産性がよく知られていないグループに属する菌株が多く得られた。また、一部の菌群が生産する分子種に新規性の見込まれる化合物が含まれることも明らかになった。
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Research Products
(1 results)