2006 Fiscal Year Annual Research Report
植物アクアポリンの機能解析とその制御メカニズムの解明
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05F05199
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
柴田 均 島根大学, 生物資源科学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AZAD MDAbulKalam 島根大学, 生物資源科学部, 外国人特別研究員
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Keywords | アクアポリン / 水チャンネル / 花弁開閉 / タンパク質リン酸化 |
Research Abstract |
ナクアポリンは水を通過させるチャネルを構球する膜貫通聖タンパク質である。セリン残基9)リン酸化によってチャネルが開き、脱リン酸化によって閉じる。チューリップ花弁の開閉に関与する水チャネルを構成するアクアポリンの分子種を同定するために花弁由来の細胞質アクアポリン遺伝子4種類(TgP IP1-1,TgPIP1-2,TgPIP2-1,TgPIP2-2)をクローニングした。チューリップ花弁から調製した全RNからcDNAライブラリーを構築し、細胞膜アクアポリンの4種類の全長cDNAを単離しクローン化した。アミノ酸配列情報から、4種類ともにアクアポリンの別称であるPIP(Plasma Membrane Intrinsic Prote in)ファミリーに属することが判明した。TgPIP1-1とTgPIP1-2と名付けた2種類はPIP-1サブファミリーで両者の相同性は85%以上であった。それぞれのORFは286アミノ酸(分子量30515Da)、288アミノ酸(分子量30613Da)をコードする。これらは他の植物由来のPIP-1と85%および95%の相同性を示した。TgPIP2-1とTgPIP2-2と名付けた別の2種類は286アミノ酸(分子量30370Da)および281アミノ酸(分子量29852Da)をコードするORFであった。両者間の相同性が78%であり、他の植物のPIP2との相同性はそれぞれ85%および75%であった。これら4種類の遺伝子産物の分子ホモロジーモデリングの3次元構造は、水チャネルとして同定されているホウレン草と牛のアクアポリン-1の構造と完全にオーバーラップするものであった。アクアポリンの機能解析系を開発された岡山大学資源生物科学研究所の且原助教授の協力の下で、4種類の遺伝子産物の機能解析を、アフリカツメガエルの卵母細胞発現系で検証した。それぞれのcRNAを卵母細胞での発現ベクターpXBG-evlにサブクローニングし、採取した卵にマイクロインジェクションし24時間の発現時間の後に、卵を低張液にさらし、水の流入(水チャネルの活性)に起因する卵の破裂までの時間をビデオで録画して解析した。TgPIP1-1とTgPIP1-2およびTgPIP2-1での水チャネル活性はベクターのみの対照と大差を与えなかったが、TgPIP2-2発現卵では水のチャネル活性が4倍増加していることが確認された。またこの増加が1mMHgCl_2によって完全に消失した。約50%の活性がタンパクリン酸化酵素阻害剤、K252aの共存によって阻害されることも確認された。TgPIP2-2の翻訳産物がリン酸化を受けて水チャネルが活性化される可能性が強く示唆された。
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Research Products
(2 results)