2006 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患を予防・改善する抗酸化性食品因子の解析及び作用メカニズムの解明
Project/Area Number |
05F05200
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 誠 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHAO ZHAOHUI 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 炎症性腸疾患モデル / 炎症性サイトカイン / 機能性食品因子 / クロロゲン酸 / 抗炎症性 / IL-8 |
Research Abstract |
1.食品因子による炎症性大腸炎(IBD)の予防・改善機構解明 腸管上皮細胞とマクロファージ様細胞の複合培養系を用いたIBD in vitroモデルを構築し、IBD予防食品因子を網羅的に探索した。その後、in vivo IBDモデル(マウス)を構築し、in vitroで見出した食品因子の一つであるタウリンの大腸炎抑制効果を確認した。さらに、その抑制機構を組織病理的手法と細胞分子生物学的手法で詳細に解析した。in vitro及びin vivoの解析から、タウリンは主に上皮細胞の保護作用と抗炎症作用によるデキストラン硫酸誘導マウス大腸炎を抑制することを明らかにした。 2.上皮細胞におけるH_2O_2により誘導される炎症性サイトカインを抑制する食品因子の解析 2週間培養、分化させたCaco-2細胞にH_2O_2を加えて刺激したところ、ケモカインであるIL-8の分泌亢進がした。この系を用いて、IL-8の分泌亢進を抑制できる食品因子を探索し、クロロゲン酸(コーヒー中ポリフェノール)を見出した。その抑制機構を解析したところ、転写因子NFkB及び細胞内のグルタチオンの産生と関わっていることが示唆された。 3.フェノール性抗酸化・抗炎症物質の胃での吸収・代謝 上記2の研究において抗炎症性を示したクロロゲン酸を含む食品中フェノール性物質の胃での吸収・代謝をラットを用いて調べた。その結果:食品中フェノール性抗酸化物質の胃での吸収はMCTというトランスポーターと関わっていることが示唆された。また、フェルラ酸とクマル酸は胃で速やかに吸収され、主に肝臓で抱合化されることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)