2005 Fiscal Year Annual Research Report
変動環境下における土壌微生物-樹木間相互作用を活用した特殊土壌地帯の緑化試験
Project/Area Number |
05F05201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笹 賀一郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHOI Dong-Su 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 針葉樹 / 外生菌根菌 / 高CO_2 / 窒素沈着 / 根圏 |
Research Abstract |
変動環境として、高CO_2条件(360ppm vs. 720ppm;気温26/16℃;自然日長5〜10月)と土壌酸性化を取り上げた。感染させる菌類の探索を行い、研究例が比較的多く、市販されている外生菌根菌の特徴を検討してきた。また、混菌の接種による宿主の成長促進効果が高いことから、EC(混菌:エクト・ドレンチ:Pisolithus tinctorius(コツブタケ)85%、Rhizopogen(ショウロ科)10%、Laccaria(キツネダケ属)3%、Scleroderma(ニセショウロ科)2%)も利用した。宿主材料として、北海道では木材生産に関わる樹種であり、緑化用にも利用されるカラマツ属と花崗岩地帯の緑化によく用いられるアカマツを宿主として、実験を進めてきた。高CO_2では、Pt(Pisolithus tinctorius;コツブタケ)を接種したアカマツの接種個体の成長が大きく促進された。感染個体と非感染個体の比較をするために、A/Ci曲線(葉内CO_2濃度と光合成速度の関係から、Rubisco活性、RuBP再生能、電子伝達機能を概観できる)による解析を行った。高CO_2での「負の制御」がPt接種個体では緩和された。針葉中のリンの濃度の増加から判断して、葉緑体中の無機リン(Pi)も恐らく増加していたと考えられる。ただし、Piの単離・定量は出来ていない。また、特に、気孔制限(stomatal limitation)、水利用効率(光合成/蒸散:P/T比)は、接種個体で増加した。現在、アジアは1つの考え方から、韓国の郷土種であるチョウセンゴヨウマツとカラマツでも研究を展開中である。
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Research Products
(10 results)