2005 Fiscal Year Annual Research Report
2軸混練押出成型法によるMFC・バイオプラスチック複合成型材料の開発
Project/Area Number |
05F05204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢野 浩之 京都大学, 生存圏研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NAKAGAITO Antonio Norio 京都大学, 生存圏研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | セルロース / ナノファイバー / ミクロフィブリル / 2軸混練機 / 複合材料 / ナノ材料 / 植物資源 |
Research Abstract |
ミクロフィブリル化セルロース(MFC)は、木材パルプなどの植物繊維が、さらに解繊されナノファイバー化したもので、ナノレベルからミクロレベルまでのクモの巣状ネットワークと極めて大きな表面積が特徴である。MFCを強化繊維とした複合材料は鋼鉄に匹敵する強度をしめす。ミクロフィブリル化のプロセスは主としてせん弾力による解繊で、現状ではリファイナー処理と高圧ホモジナイザー処理の複合で行われているが、製造コストが嵩み、乾燥重量ベースで5000円/kgとなっている。このことから、本研究ではMFCを複合材料強化繊維として広く利用していくために、安価にMFC、あるいはMFC複合コンパウンドを製造する技術を、主として2軸混練機を用いて開発するものである。 本年度は、混練機を用いてパルプ繊維からのナノファイバー製造技術の検討を行った。NBKPなどのクラフトパルプ、溶解パルプを種々の程度にリファイナーにより予備解繊し、それを2軸混練機による混練処理で、さらに解繊した。その際、リファイナーによる予備解繊の程度(処理回数)、予備解繊パルプの水分量、混練時間を様々に変化させ、得られた混練パルプの繊維形態(SEM,AFMで観察)、保水率から、ナノファイバー製造最適条件について検討した。混練過程でのナノファイバー化を促進する目的で、基質選択性を有する酵素処理(エンドグルカナーゼ)を解繊前のパルプに行ったところ、短時間にナノファイバー化を進めることができた。しかし、MFGをシート化し、フェノール樹脂を含浸後、積層・熱圧した試料では、曲げ弾性率は12.5GPa、曲げ強度は200MPaで、高圧ホモジナイザー処理で得たMFCで得られる強度の6割程度の値であった。このことから、次年度はリファイナー処理や酵素処理といった2軸混練処理前の前処理の条件についてさらに検討する。
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Research Products
(2 results)