2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウシにおける肝細胞因子(HGF)の役割:炎症時での発現とその機能
Project/Area Number |
05F05209
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 和弘 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAKONDO K. 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 肝細胞増殖因子 / HGF / leptin / ウシ / 好中球 / 炎症 / サイトカイン |
Research Abstract |
肝細胞増殖因子(HGF)は種々の組織の修復・再生、血管の新生など管腔の形成や乳腺の発達に関わることが知られる。反芻動物におけるHGF/c-Metシステムの病態生理学的意義は不明な点が多く、ここでは炎症におけるHGFの役割を明らかにすることを目的とした。ウシ好中球やTリンパ球機能を脂肪細胞由来サイトカイン、レプチンは機能を修飾するのに対し、HGFは全く作用を示さなかった。一方、ウシ血管内皮細胞はc-Metを発現し、HGFで刺激すると腫瘍壊死因子TNF-αによる細胞接着因子の発現を抑制した。この機構には一酸化窒素(NO)合成酵素eNOSの活性化によるNO産生が関与した。HGFによるeNOSの活性化にはCa^<2+>シグナルとAktによるリン酸化がより重要であるが、これまで関与が示唆されていたheat shock protein 90 (HSP90)については、その関与が否定された。またHSP90の数種の特異的阻害剤の比較から、geldanamycinにはHGFのシグナル増強作用が見いだされた。次に、HGFの生体内での機能を調べるためadenovirusベクターにHGF遺伝子を組み込んだコンストラクトを作成した。これをマウスに投与すると、機能的なHGFを産生した。現在、腎臓の虚血障害モデルマウスを作成し、HGFの有無によって腎機能が維持されているのか、この系にeNOS/NO系が関与するかNOS阻害剤を用いて検討を続けている。
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Research Products
(4 results)