2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05216
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺崎 哲也 東北大学, 大学院薬学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAI Xiao-Kun 東北大学, 大学院薬学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | トランスポーター / MRP4 / 血液脳関門 / 血液脳脊髄液関門 / 輸送 / 抗生物質 / 薬物相互作用 / 阻害効果 |
Research Abstract |
トランスポーターを介した薬物相互作用は、脳への薬物移行の変動を考える上で重要である。Multidrug resistance associated protein 4 (MRP4)は、血液脳関門および血液脳脊髄液関門に発現し、脳および脳脊髄液への薬物移行を制限している。そこで、MRP4の基質となる薬物を同定したところ、あるβラクタム系抗生物質が基質となることを明らかにした。この抗生物質は、ヒトMRP4発現sf9発現膜小胞に時間依存的、そして浸透圧依存的に取り込まれた。また、濃度依存性の検討を行った結果、Km値は20μMと求められた。さらに、この抗生物質のヒトMRP4発現sf9発現膜小胞への取り込みは、既知のMRP4の基質であるprobenecid、dipyridamole、indomethacin、diclofenacによって優位に阻害された。また、この抗生物質のヒトMRP4発現sf9発現膜小胞への取り込みは、グリコペプチド系抗生物質やループ利尿薬で阻害された。従って、この抗生物質の脳移行性にMRP4が関与し、さらに阻害する薬物との相互作用が考えられる。
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