2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05216
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺崎 哲也 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAI Xiao-Kun 東北大学, 大学院・薬学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | トランスポーター / 血液脳関門 / 血液脳脊髄液関門 / 輸送 / 薬物相互作用 / 基質 / LC-MS / MS / 培養細胞 |
Research Abstract |
新しいトランスポーターの基質と機能を明らかにすることは血液脳関門の未知の生理機能を解明する上で必須である。研究代表者の所属する研究室では、すでに複数の機能未知のトランスポーターを同定しており、本年度は、そのうちの一つである機能未知のトランスポーターAの機能の解明を行った。トランスポーターAに対する抗体がないため、まず、LC-MS/MSを用いた定量系を構築した。本定量系によって抗体を用いずに、好感度にトランスポーターAを定量することが可能となった。定量系を用い、すでに樹立し、mRNAの発現を確認している複数の安定発現株の細胞膜上の絶対発現量を定量した。その結果、もっともタンパク質レベルで細胞膜に高発現している細胞株を同定した。基質候補化合物を同定するために45種類の候補化合物の混液(カクテル)を用いて、HPLC接続型タンデム四重極質量分析装置(LC-MS/MS)による同時測定によって、安定発現株への取込を指標として基質の探索を行った。その結果、複数の取込の傾向が認められる化合物を同定した。カクテルによる探索では取り込みは値が低く、明確な差を検出することができないため、次に、カクテルから選択した化合物のそれぞれ単独化合物に対して安定発現細胞株への取り込みをLC-MS/MSを用いて測定を行った。その結果、さらに複数の化合物に取り込みが認められた。これらの化合物がトランスポーターAの基質となる可能性がある。今後さらに解析を進めることによって、薬物動態および生命機能におけるトランスポーターAの新たな役割と機能が解明されると期待される。
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