2005 Fiscal Year Annual Research Report
トロポニン分子突然変異による遺伝性心筋症の病態発現機構の解明
Project/Area Number |
05F05217
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森本 幸生 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LU Qun-Wei 九州大学, 大学院・医学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 拡張型心筋症 / 肥大型心筋症 / 拘束型心筋症 / トロポニン / 遺伝子突然変異 / カルシウム感受性 / ノックインマウス / 疾患モデルマウス |
Research Abstract |
カルシウムイオンによる心筋収縮・弛緩の調節は、細いフィラメント上に存在する調節蛋白質"トロポニン"によってなされている。最近このトロポニンの遺伝子変異が肥大型、拡張型および拘束型心筋症の原因となっていることが次々と明らかにされている。本研究では、トロポニンT遺伝子変異による拡張型心筋症の病態発現メカニズムを最終的に解明し治療薬を探索することを目的に、最近本研究室において作製に成功したトロポニンT遺伝子変異のひとつ(ΔK210)を導入した拡張型心筋症ノックインモデルマウスの解析を行った。インタクト心筋線維収縮機能、単一心筋細胞Caトランジェント、心エコー図、心電図テレメトリーおよび摘出心臓ポンプ機能解析等により病態発生メカニズム、特に不整脈による突然死発生メカニズムの一端を明らかにすることができた。また、著名な心拡大と高頻度の突然死を示すホモ接合体ノックインマウスをもちいて、Caセンシタイザー、βブロッカー、PDE阻害剤をはじめ治療薬としての可能性が考えられる薬物の経口投与を行い、その効果を詳細に検討した。さらに、独自に開発したトロポニンサブユニット交換法(トロポニンT処理法)を用いて拘束型心筋症を引き起こす6種類のトロポニンI突然変異体を脱鞘心筋線維に組み込み、それらの突然変異が心筋の生理的収縮調節機能に対して与える影響を明らかにし論文として発表した(Yumoto et al.,BBRC,2005)。
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Research Products
(1 results)