2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05222
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
木村 吉延 福井大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Beixing 福井大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | RSウイルス / 感染防御 / アレルギー / 気管支喘息 / ワクチン |
Research Abstract |
高齢者と小児におけるRSウイルス感染症の発症機序を解明しその予防対策を構築するために、2系統のマウス感染実験を実施した。 (1)高齢者のRSウイルス感染症モデルとして老化促進モデルマウスSAM-P1マウスを、それに対するコントロールとして同月令のSAM-R1マウスを使用した。3ヶ月令(ヒトの高齢者相当)のSAM-P1マウスに2x10^6 PFUのRSウイルスを経鼻接種し、経日的にマウス体重増減、肺内ウイルス増殖、及び血中ウイルス特異的抗体産生を測定した。SAM-P1マウスはウイルス感染後15日まで体重減少が続き、その後回復に向かった。一方、対照SAM-R1マウスでは体重減少は認められなかった。肺内ウイルス増殖はSAM-P1マウスではウイルス感染3日後にピーク(〜10^5PFU)となり9日目には消失した。SAM-R1ではウイルス増殖が抑制され(最高値〜10^4PFU)、7日目には完全に排除された。ウイルス接種3週間後のウイルス特異的抗体価のIgG2aクラスとIgG1クラスの比を調べるとSAM-P1マウスにおいて顕著なTh2シフトを認めた。SAM-P1マウスはRSウイルス感染に対してより高い感受性をしめした。 (2)6週令のBALB/Cマウスに2x10^6PFUのRSウイルスを経鼻接種した後、スギ花粉で連続3回感作し、その1週間後に血清と肺を採取した。肺細胞を培養し、さらにRSウイルス、あるいはスギ花粉で抗原刺激すると細胞数が増加し培養液中にトータルIgE産生の増強を検出した。この場合スギ花粉によるIN VITRO刺激の方がより強く反応した。スギ花粉に対する即時型過敏症がRSウイルス感染によって増強することが示唆された。
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Research Products
(10 results)