2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者に対する医療の有用性に関する倫理的法的問題と法政策展開への国際的枠組
Project/Area Number |
05F05225
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
位田 隆一 京都大学, 大学院公共政策連携研究部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAGHERICHIMEH Alireza 京都大学, 大学院法学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 高齢者医療 / 医療の有用性 / 生命倫理 / 医療政策 / 終末期医療 |
Research Abstract |
1)「意味のない」医療に関するKAP(知識、態度、実行)に関する比較調査を実施した。海外での調査としては、米、加、豪、中、シンガポール、イランにおいて、インタビュー調査を実施した。それぞれの国の宗教的背景や医療および社会保障制度の状況により、「この問題への対応はかなり異なることが明らかとなった。ここで得られた調査データを分析し、その結果の一部は海外の専門雑誌に投稿し、採択された。 2)また、調査の機会や国際シンポジウムなどに参加して、このプロジェクトの研究成果を発表したほか、求めに応じて「意味のない」医療における倫理問題に関して、いくつかの日本の大学で講演を行った。我が国における調査として、「意味のない」医療に直面する医療従事者の態度について、アンケート調査を行った。この調査の結果はすでに発表している。さらに同様の調査をトロント大学の協力でカナダにおいて行う準備が整っており、分担者がカナダに赴いて調査を実施する予定である。 3)研究成果は、「意味のない」医療に関する議論の状況、医師・看護師および生命倫理研究者等の専門家の態度、死に対する自己決定、患者の自己決定と医師のパターナリズム、日本における「意味のない」医療に関するガイドラインの構築等、さまざまな視点で発表し、高い評価を得ている。これによって、本研究費の終了後はトロント大学およびジョージタウン大学において「医師-患者の関係における『意味のない医療』を規制することの影響」の調査を目的とするプロジェクトを実施することが決まっている。当初予定していたガイドライン案の提示にはいたることが出来なかったが、この問題を社会にアピールするには充分な成果を挙げることが出来た。
|
Research Products
(4 results)