2005 Fiscal Year Annual Research Report
事故もしくは意図的な日用化学用品摂取による毒性および薬物動態データベースの構築
Project/Area Number |
05F05226
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
竹下 治男 島根大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XUE Yuying 島根大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 界面活性剤 / 消毒薬 / 体内動態 / 毒性 / 日用品 / 経口投与 / 血管内投与 / ラット |
Research Abstract |
【背景・目的】消毒薬に広く使用されている陽イオン界面活性剤、塩化ベンザルコニウム(BZK)の毒性と薬物動態について系統的に検討を行ってきた。今回は化学的性質が異なる他の界面活性剤や界面活性剤を含まない消毒薬の毒性について検討した。 【方法】使用した界面活性剤は、陽イオン性のBZKと塩化ベンゼトニウム(BZT)、両性イオン性の塩酸アルキルジアミノエチルグリシン(Tego)、陰イオン性のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)と非イオン性のポリオキシエチレンアルキルエーテル(Volpo)。消毒薬のグルコン酸クロルヘキジン(Maskin)、対照は生理食塩水を用いた。動物はSprague-Dawley系雄性ラットを用い、経口(PO)、頚静脈(JV)と大腿動脈(FA)投与を行った。ドーズは文献的LD_<50>を参考に、血管内投与は3〜150mg/kg、経口投与は250および1250mg/kgを使用した。投与後、24時間観察を行い、24時間目に試料を採取した。 【結果・考察】毒性発現は化合物の種類、また投与経路により異なった。各化合物で程度の差はあるが、血管内投与ではJVでは投与直後に呼吸が一旦停止し、回復できなかったラットは早い時期に死亡した。FAでは時間の経過とともに徐々に衰弱した。BZKとBZTは15〜20mg/kgで、LASとTegoは100mg/kg以上のドーズで死亡し、Volpoは全て生存、MaskinはBZKやBZTと同程度の毒性がみられた。経口投与では、界面活性剤は高濃度ドーズでVolpoを除き死亡した。その他の消毒薬は全て生存した。使用したドーズと毒性発現の結果から推定される毒性ランクは、血管内投与の場合:陽イオン性およびマスキン>陰イオン性・両性イオン性>非イオン性界面活性剤、POの場合:イオン性界面活性剤>マスキン>非イオン性界面活性剤と考えられた。
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