2006 Fiscal Year Annual Research Report
心臓リモデリングにおける交感神経活性化機序の解明とそれを利用した治療法の開発
Project/Area Number |
05F05228
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀 正二 大阪大学, 医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIAO YULIN 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | カナビノイド-1受容体 / 心肥大 / 肺浮腫 / 心不全 / 死亡率 / マウス |
Research Abstract |
現在、"心臓リモデリングにおける交感神経活性化機序の解明とそれを利用した治療法の開発"について研究している。現時点に至って、研究進行は順調であり、旧年度Cardiovascular Researchに採用された2本論文に加え、今年度、論文1報ずつ投稿中と投稿準備中である。 我々はアデノシンおよびカナビノイド-1(CB1)受容体遺伝子改変マウスを用いて、交感神経抑制作用を有するこの受容体の心臓における役割を検討した。CB1 KOマウスは野生型と比し、心重体重比(HW/BW)が有意な増加、心筋細胞サイズの増大が認められた。また、CB1KOマウスを用いて、圧負荷心不全モデル(TAC)における、TAC手術が行われ、急性及び慢性生存率を検討した。その結果、TAC手術後、野生型と比較し、1週間及び100日間の死亡率は有意に高かった。急性肺浮腫や慢性心不全が主な死因であると考えられた。さらに、われわれはCB1の活性化がこれらの症状を回復できるかどうかについて、検討してきた。CB1受容体選択的な抑制剤であるAM251はTAC手術による肺浮腫を悪化させたが、CB1 agonistでWIN 0.2mg/kgまたは2-AG 5mg/kgはTAC手術による肺浮腫を改善したことが明らかになった。また、他の系統(C57BL/6)マウスを用いて、CB1活性化の役割を調べたところ、WINの投与が左心室圧負荷による4日間生存率を改善することが確認された。我々はCB1の活性化することのよりマウス慢性心不全にBeneficialであるか否かについて検討した。TAC6週間後に著名な心肥大を認め、WIN 0.2mg/kg/dはこの肥大を抑制した。さらに、心不全の指標である肺・体重比も、TAC群に比べてWIN治療群で改善を認めた。
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Research Products
(1 results)