2005 Fiscal Year Annual Research Report
「血管疾患の診断と治療、バージャー病の病因」・上記における内視鏡デバイスの開発
Project/Area Number |
05F05236
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩井 武尚 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SALAMEH FADI 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | EMR / デバイス |
Research Abstract |
表題:消化管における内視鏡的粘膜切除術(EMR)に有望な新たなデバイス 背景および目的:腫瘍性上皮を切離する場合、組織学的診断を確定するほか治癒効果も望まれる摘除術以外の方法として、内視鏡的粘膜切除術(EMR)が内視鏡的手技の選択肢のひとつとされる。ただし、EMRの実施にあたっては、EMRの切離方法および直径、腫瘍の処置に内視鏡的手技を用いることによって出血のリスクが伴う点など、いくつかの問題に直面している。また、生食水を粘膜下注入した後、粘膜が隆起する時間が比較的短時間であるという技術的制限があることも課題である。さらに、病変部が10mmを超えると、切除することによって局所再発を来すという問題が挙げられる。本試験では、こうした問題点を克服することを目的とする。 方法:我々は、2層の透明プラスチック製キャップ(直径12mm)を装着する新たなデバイスを開発した。キャップ部内縁に接する粘膜層を切除する外科用メスを有するデバイスである。これを用いて、4ヵ月間にわたって消化管の種々の部位における平均直径19mmの病変切除を11件施行し、切除組織の組織学的評価を実施した。 結果:2例に穿孔が認められたものの、そのほかの病変には出血などの重大な合併症を来すことなく、粘膜層切除に成功した。 結論:EMR施行後の出血を予測するにあたり、EMRの切離方法を考慮に入れるのは重要なことであり、我々は、このデバイスを用いて、消化管の内視鏡的粘膜切除術(EMR)を成功させることができるとの仮説を提唱するに至った。ただし、透明キャップの様々なサイズに合わせて、組織の切除に最適なメスの形状および大きさを決定するには、さらに検討を重ねる必要がある。
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