2006 Fiscal Year Annual Research Report
「血管疾患の診断と治療、バージャー病の病因」における内視鏡デバイスの開発
Project/Area Number |
05F05236
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩井 武尚 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SALAMEH F.S. 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | EMR / デバイス / 粘膜 / 切除 / スネアワイヤ / 内視鏡検査 |
Research Abstract |
内視鏡的粘膜切除術(EMR)のための新しい透明プラスチック製キャップ(外径12mm,内径9mm)を開発,試作し実験的検討を進めた.キャップは2層になっており,外層には4mmの切り込みがあり,内層に切除用メス装着している.両層の水平方向への動きにより粘膜切除が行われる構造となっており,先端のキャップ部は長さ140cm,径3mmチューブに連結され,各層の間に生じる空間がチューブ内部に繋がっている.チューブの他の端は吸引装置に連結されている.この原理に基づく3種類のキャップを作製し,このデバイス(キャップ)を内視鏡先端部に装着し,その実用性を,月例4ヶ月の豚の食道内で検討した. まず,キャップの切込みが縦軸方向に位置するものを内視鏡先端部に装着し,EMRの一般的手技である粘膜下層への生理食塩水注入で粘膜下層の分離を図った.粘膜下注入による隆起部の肛門側と切り込み部が一致するようにキャップを設定した.そして,キャップ各層の間に組織の隆起を形成するためのチューブ内吸引を行った後,キャップに装着したメスでキャップ間に挟んだ組織を切離し,粘膜下層を食道の縦軸方向へ切除するため,内視鏡先端部を口側へ引いた.次に,横軸方向の切込みが入ったキャップに変更し,前記と同様の手順で粘膜切除を行ったが,内視鏡の移動方向は横軸方向,つまり回転運動とした.さらに,メスが平行移動するキャップを使用し,目標の粘膜を切除した. 以上の手技を繰り返すことにより,食道の様々な位置において平均直径19mmの粘膜を合計11ヵ所切除し,その安全性と手技の実用性を確認した.
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