2006 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌の分子腫瘍学的研究と実際の臨床応用を目的とした診断技術の開発
Project/Area Number |
05F05238
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 紀章 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SASAMOTO HARA Hiromi 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 胃癌 / 大腸癌 / メチル化 / 便 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
我々は、癌の遺伝子診断を臨床の場で応用することを目的に様々な標本や検出方法を用いて、epigenetic(メチル化)な変化を中心に研究を進めてきた。特に、消化器癌で最も頻度の多い大腸癌と胃癌の切除標本、これらから癌部と正常粘膜部のDNA、大腸ポリープ部のDNA、そして健常人の粘膜のDNAを用いてhMLH1,MGMT,MINT1,MINT2,MINT31,p14,p16,DAPK,COX2,CACNAIG,RASSFIA,RASSF2,APC1A,HPP1や3-OST-2遺伝子のプロモータ領域のメチル化の検討を行ってきた。 今回我々は、これらのデータをもとに、健常人、ポリープを有する患者、大腸癌や胃癌の患者からの便を採取しメチル化の解析を行った。まず切除標本は確立された手法で純度の良いDNAを抽出することができるため遺伝子解析も安易にできる、だが便は全く異なる材料であり切除標本で用いた方法論をそのまま便に応用することができない、そこでこの問題を解決するために新しい検出方法の開発が必要となり、その開発に成功することができた。また、我々の目的である便からの遺伝子診断の第一歩となる貴重な遺伝子解析の(メチル化の解析)データを獲得することができた。これらめデータをもとに詳細な統計解析を行い、遺伝子診断に有用なバイオマーカーとして使える遺伝子を数個までしぼることができた(論文作成中)。 今後は、このデータをもとに方法論の確立、再現性、感度や特異度、そして安全性などを含めた大規模な臨床試験が必要である。更に、方法論の簡便化に向けての新たな改良も必要である。
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