2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞による破骨細胞分化への共茂樹シグナルの解析
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05F05240
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高柳 広 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GOBER H.-J. 広島大学, 大学院医歯学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 免疫学 / 骨代謝 / 骨免疫学 / 転写因子 / 免疫グロブリン様受容体 / 遺伝子改変動物 |
Research Abstract |
破骨細胞分化には、サイトカインシグナルに加え、DAP12ならびにFcRγといったアダプター分子からの共刺激シグナルが必須である。DAP12とFcRγの役割に機能的な差異があることは、遺伝子破壊実験から推測されており、特にFcRγによる共刺激シグナルの破骨細胞における生理的・病的な意義については不明点が多い。そこで本年度は、FcRγシグナルの詳細を解明することを目的に研究を行った。免疫受容体群の細胞表面への発現が、FcRγに依存しており、同様の依存性を有するFc受容体群と競争的な関係にあることが予備的検討で示されたことから、破骨細胞前駆細胞に強発現するFc受容体の一つであるFcγRIII(CD16}の遺伝子欠損(KO)マウスを用いた検討を行った。このマウス由来の破骨細胞前駆細胞では、免疫受容体の細胞膜への発現が上昇することにより、リガンド供給細胞からの共刺激シグナルが亢進することが期待される。CD16 KOマウスは骨量減少病態を示し、破骨細胞数の増加が観察された。また期待されたように、CD16 KO破骨細胞前駆細胞では、免疫受容体OSCARやPIRAの細胞表面への発現が亢進していることが確認された。さらに、CD16 KO前駆細胞では、PLCγ2とp38のリン酸化が亢進しており、これは免疫受容体を介した共刺激シグナルが実際に増大していることの機能的な証拠であると推測された。In vitro試験でもCD16 KO細胞における破骨細胞分化の亢進が観察され、またこの亢進が前駆細胞数の増加に由来するものではないことが明らかとなった。DAP12とCD16の両欠損マウスにおいても、破骨細胞数の増加が観察されたことから、CD16 KO前駆細胞で観察される破骨細胞分化の方進が、FcRγシグナルに依存することが強く示唆された。以上の解析から、FcRγシグナルの増大は、破骨細胞分化の亢進を導き、骨量減少病態をもたらすことが推測された。現在、より詳細な解析を行っている。本研究により破骨細胞分化における共刺激シグナルの新たな役割が明らかになると考えられる。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Regulation of osteoclast differentiation and function by the CaMK-CREB pathway.2006
Author(s)
Sato, K, Suematsu, A, Nakashima, T, Takemoto-Kimura, S, Aoki, K, Morishita, Y, Asahara, H, Ohya, K, Yamaguchi, A, Takai, T, Kodama, T, Chatila, TA, Bito, H, Takayanagi, H
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Journal Title
Nat Med 12・12
Pages: 1410-1416
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[Journal Article] Th17 functions as an osteoclastogenic helper T cell subset that links T cell activation and bone destruction.2006
Author(s)
Sato, K, Suematsu, A, Okamoto, K, Yamaguchi, A, Morishita, Y, Kadono, Y, Tanaka, S, Kodama, T, Akira, S, Iwakura, Y, Cua, D J, Takayanagi, H.
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Journal Title
J Exp Med 203・12
Pages: 2673-2682
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[Journal Article] Scientific basis for the efficacy of combined use of antirheumatic drugs against bone destruction in rheumatoid arthritis.2006
Author(s)
Suematsu, A, Tajiri, Y, Nakashima, T, Taka, J, Ochi, S, Oda, H, Nakamura, K, Tanaka S, Takayanagi H
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Journal Title
Mod Rheumatol 17
Pages: 17-23
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[Journal Article] Evidence for licensing of IFN-γ-induced IFN regulatory factor 1 transcription factor by MyD88 in Toll-like receptor-dependent gene induction program.2006
Author(s)
Negishi, H, Fujita, Y, Yanai, H, Sakaguchi, S, Ouyang, X, Shinohara, M, Takayanagi, H, Ohba, Y, Taniguchi, T, Honda, K.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci 103・41
Pages: 15136-15141
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