2005 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素症に罹患した歯に対するセラミックベニア修復の微小引張強さに関する研究
Project/Area Number |
05F05244
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
福島 俊士 鶴見大学, 歯学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RATNAWEERA P.M. 鶴見大学, 歯学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ポーセレンラミネートベニア / フッ素症 / 接着性レジンセメント / 微小引張試験 |
Research Abstract |
本研究は,歯の色が混濁している斑状歯の審美的修復方法としてポーセレンラミネートベニアを選択した場合の接着性を検討することを目的とした. 斑状歯は主にその地域性や生活環境の中でフッ素の含有率が多い食品や水を摂取した結果として出現する.フッ素の影響をうけた歯質は,主にエナメル質表層に再石灰化が行われる結果としてフルオロアパタイト結晶が形成され,齲食の予防効果が高まるといわれている.しかしそのメリットがある反面,フッ素は接着性材料の接着強さを低下させるといわれている.ポーセレンラミネートベニア修復は,エナメル質内で支台歯形成を行うことが原則であり,また接着性材料の使用が不可欠であるため,健全歯エナメル質との接着強さと比較検討する必要がある. 今年度は予備的実験を中心に行った.試料は健全歯および斑状歯を用いて,それらのエナメル質を#600のシリコーンカーバイトペーパーを用いて接着面が水平になるよう注水下で研磨し,40%リン酸水溶液(K-エッチャント,クラレメディカル)を用いて40秒間のエッチング処理を行った.その後,5×5×1mmに製作したポーセレンラミネートベニア(VM7,VITA)を,接着性レジンセメント(クラパールLC,クラレメディカル)を用いてメーカー指示通りに接着操作を行った.製作した試料はLow speed cutterを用いて,1×1mmの四角柱に切り出し,測定用試料を完成させた.試料を微小引張試験用ジグに固定し,オートグラフ(AGS-5kND島津製作所)を用いて接着強さを測定した.その結果,斑状歯は健全歯と比較して接着強さが低い傾向が認められた. 来年度は,試料数を増やし,また,接着性レジンセメントとしてさらにリライエックスレジンセメント(3M ESPE)を実験条件に加え,微小引張強さを計測し,歯質,接着材の違いによる影響を明らかにする予定である.
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