2006 Fiscal Year Annual Research Report
中世寺院建築における意匠表現の日韓比較研究-斗共の表現方法を中心に-
Project/Area Number |
05F05247
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
窪寺 茂 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 文化遺産部, 建造物研究室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHOI GOEUN 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 文化遺産部, 外国人特別研究員
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Keywords | 斗きょう / 寺院建築 / 意匠 / 比較 / 中世 / 日韓 / 東アジア |
Research Abstract |
[研究の目的] 本研究は、東アジアの木造建築の最も特徴的な要素である斗きょうに注目し、以下のことを目的とする。 1.日・韓中世寺院建築における斗きょうの意匠表現を比較し、両国の共通点と相違点を明確にする。 2.中国建築の要素が日・韓の中世寺院建築の意匠表現にどのような影響を与えたのかを比較し、日本と韓国における中国建築に対する受容態度を明らかにする。 ここで導き出された共通点は日・韓が同じ文化圏であることを、相違点はそれぞれの独自性を物語ることになる。 具体的な研究対象は、中世(12世紀〜16世紀)に新たに中国から日・韓に移入された斗きょう形式である詰組(韓国では多包という)に焦点を当てる。そして木構造を踏まえた上でまず比較のための基礎的なデーターベースを作成し、意匠面(デザイン・表現手法)・装飾面(彩色)を比較する。 [18年度の研究実施内容] 1.先行研究の分析・資料のデータ化(17年度から引き継ぐ) 韓国の詰組寺院建築資料集作成(総98棟選定) 日本の詰組寺院建築資料集作成(総44棟選定) 中国の詰組木造建築資料集作成中(総60棟暫定選定) 2.現地踏査・調査・資料収集(17年度から引き継ぐ) 韓国:高麗時代の寺院建築踏査、慶州古代寺院跡地、ソウル宮殿踏査 日本:広島尾道の寺院建築踏査、寺院建築構造調査(法隆寺金堂・五重塔、薬師寺東塔、唐招提寺金堂、興福寺五重塔、西本願寺本堂、談山神社など) 3.調査研究成果の分析-中国・韓国・日本の重層建物に対象を絞り、その平面と構造を比較 4.研究成果の発表-日本建築学会論文集(最終審査通過決定、掲載予定)
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