2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05260
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Research Institution | Okinawa Prefectural University of Arts |
Principal Investigator |
金城 厚 Okinawa Prefectural University of Arts, 音楽学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GILLAN M. A. 沖縄県立芸術大学, 附属研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 民族音楽学 / 沖縄 / 民謡 / 音楽分析 / 奄美 |
Research Abstract |
今年度の研究期間は五ヶ月間のみであるので、2年間にわたる研究の整理、取り纏めに充てられた。2年間を通して、沖縄の古典的な音楽、民俗的な音楽、新しい大衆的な音楽の各分野にわたって、史料や録音資料や研究文献の収集、演奏家からの技能の修得や伝承の聞き取り、また地方の民俗芸能の取材を広範に行い、沖縄の音楽についてひじょうに多くの知見を得ることができた。また、受入研究者との共同研究を通じて、旋律分析の方法についても有益な方法を開発することができた。 研究の結果、地域の中で同系と見なされる旋律が地域や演奏者個人によって変形している問題を音楽分析によって明らかにした(文献1)。次いで、こうした変形が形式的対称性を生んだり、大きく展開するなかから、新たな曲が作り出されていくプロセスも明らかにでき(文献2)、研究目的をほぼ達成することができた。 さらに、三線の早弾きと呼ばれて普及しているリズム技法が、近代の変化の中で生まれたことを明らかにし(文献3)、大衆音楽、いわゆる沖縄ポップの世界における伝統と現代性の問題も指摘した(文献4)。 (1)「鹿児島県徳之島の朝花節における地域性と個人性の考察」『沖縄芸術の科学19』2007。 (2)「琉球列島の音楽におけるアゲとサゲ-変形の様式化をめぐって」『東洋音楽研究72』2007。 (3)「沖縄の三線音楽における「早弾き」について-リズムを中心に」『沖縄芸術の科学20』(2008予定)。 (4)"Treasures of the island people:Tradition and Modernity in Yaetaman Pop Music"、Asi an Music(2008予定)。
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Research Products
(1 results)