2007 Fiscal Year Annual Research Report
近世後期における日本北辺と北太平洋地域の歴史的研究-1789-1821を中心に-
Project/Area Number |
05F05265
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 勝生 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KOLLER Susanne 北海道大学, 大学院・文学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 露米会社 / 蝦夷地直轄 / 日露接触史 / ウルップ島 / エトロフ島 / ロシア人居住地 / 千島交易 / 千島アイヌ |
Research Abstract |
平成19年3月から10月までは、研究計画前半部で予定していたが、考察しきれなかった部分について研究を行った。それは、1799年から1821年までの時期についての検討作業である。 すなわち、この時期、1799年の幕府による蝦夷地直轄化と露米会社設立、また1821年の直轄の終了と会社見直しという出来事が日露で同時進行的に生じたが、これらを相関する歴史として捉え、総合的に考察した。作業の成果は以下の通りである。 (1)露米会社の実態、およびその時代の日露接触史の解明に関する古文書史料と欧文の航海記・露米会社関係の史料の収集、また指導教官とチューターの専門的な指導のもとで、古文書史料を解読する作業を行った。 (2)論文「ウルップ島におけるロシア人居住地(1795-1805)」ウルップ島におけるロシア人居住地をめぐって、日本とロシアの間に南千島、特にウルップ島とエトロフ島の領域を両国間でどう扱うかが幕府のなかで議論され、その後、幕府はロシア人をウルップ島から追い出すため、ロシア人の交易相手である千島アイヌの千島往来を禁止し、その結果、交易ルートが遮断された。本論文では、こうした出来事について、ロシア、日本、千島アイヌのそれぞれの視点から、ロシア人による住居地の歴史的背景、成立とその実態、幕府による反応と対策と日露接触史のなかの千島アイヌの役割を検討した。 この論文は現在投稿準備中である。
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