2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本の多言語化における在日コリアンの社会言語学的研究
Project/Area Number |
05F05266
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
庄司 博史 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM Miseon 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 移民言語 / 在日コリアン / 言語景観 / 母語教育 / バイリンガリズム / 言語接触 |
Research Abstract |
外国人特別研究員、金美善の2006年4月から2007年3月までの研究実績を報告する。日本の多言語化における在日コリアンの社会言語学的研究をテーマに、コリアンコミュニティの言語状況についてニューカマーとオールドカマーに分けて調査を行った。現在、在日コリアンの人口は約60万でオールドカマー75%、ニューカマー25%の割合でニューカマーの比率が年々高くなっており、彼らの存在がさまざまな形で可視化している。 研究代表者の庄司博史は、日本の多民族化に伴う社会の多言語化の実体、これらの現象を支える社会全体の構造について、移民受け入れ経験の長い他の国家の事例と比較検討を行っている。 研究分担者の金美善は、日本でもっともコリアンニューカマーが密集する、東京都新宿区大久保地域における外国人の存在や活動の現れ方について、商業用看板を中心に景観調査を行った。特に韓国ニューカマーの経済活動が地域の言語景観に及ぼす影響やその実態について調査し、その内容を、学会(世界コリア学会2006年10月(於:韓国・済州大学)、社会言語科学会2007年3月(於:日本大学))にて口頭発表し、報告書(科学研究調査報告書「移民コミュニティの言語の社会言語学的研究」)に寄稿論文として発表した。さらにオールドカマーの言語維持の実態を知るため、総連系の朝鮮学校におけるバイリンガリズムや母語教育について参与観察とインタビュー調査を行った。総連系朝鮮学校は非一条校として、独自のカリキュラムを持ち徹底したバイリンガル教育を行っているが、朝鮮学校の教育理念とホスト社会との政治的葛藤などの理由により、その教育内容はあまり知られていない。調査した内容は、2007年3月、国立民族学博物館で行われた国際シンポジウム(「移民とともに変わる地域と国家」)において、口頭発表を行った。朝鮮学校の教育内容については現在もなお、調査を続けており、現在上記シンポジウム報告書公刊のため執筆中である。
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Research Products
(4 results)