2007 Fiscal Year Annual Research Report
1960-1970年代における韓国造船産業の発展-日本造船産業との関係を中心に-
Project/Area Number |
05F05268
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
服部 民夫 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAE S. 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 韓国造船産業 / 日本造船産業 / 現代造船 / 川崎重工業 / 技術導入 / 経営戦隆 / 日本式建造システム |
Research Abstract |
研究の最終年度になって、今まで収集した資料と関係者のインタビューを整理しながら、去年秋から始まった執筆も継続した。研究課題の一部を去年11月に静岡県立大学で開いた「現代韓国朝鮮学会〕の全国大会で報告したが(報告のテーマは「1970年代初現代グループの造船所建設と川崎重工業」である)、その議論に中で多くの方からいただいたコメントを参考しながら論文の書き直しを行った。そして、今年の5月には「朝鮮史研究会」でもう一度報告をした。その結果に基づいて、再び修訂を加え、9月に「現代韓国朝鮮学会論文集」に投稿し、現在に審査中である。この論文は1960年代から1970年代までの韓国造船産業の発展に日本の造船産業がどう関わったのかを明らかにするという研究課題に従って、韓国造船産業発展の象徴的事件である現代グループの造船工業参入を事例として取り、その参入プロセスを実証したものである。その結果、今までの通説であった現代造船の初期発展にはヨーロッパからの技術導入が決定的役割をしたことに加え、日本の川崎重工業の協力も大きな役割をしたことが明らかとなった。その役割は主に鋼材を中心とする船拍資材の供給、イギリスから購入した図面が完全なものではなかったからその不足部門を埋めることなどが挙げられるが、より大きな役割は日本式建造システムを伝えった事であった。生産工程を細チ分化し、大規模な非熟練工を熟練工のように使える日本式建造システムは造船事業に新規参入する現代にとっては魅力的であった。もちろんその協力は先発国の後発国に対する一方的援助の形ではなく、両企業の緻密な経営戦略が働いた結果として生じたものであったことも指摘して置きたい。
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Research Products
(3 results)