2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05270
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 裕之 九州大学, 大学院芸術工学研究院, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
REMIJN Gerard Bastiaan 九州大学, 大学院芸術工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 視聴覚相互作用 / streaming-bouncing display / 知覚 / 注意 / 実験心理学 |
Research Abstract |
2つの視対象が物理的に接近し、重なり合い、通過していくようなディスプレイにおいて、知覚的な曖昧性が生じる。つまり視対象が互いをすりぬけて通過していく(streaming)、あるいは跳ね返る(bouncing)という2つの知覚的解釈が可能となる。この現象は、純粋に視覚的な現象というわけではなく、聴覚情報や触覚情報までとりいれて知覚的解釈が変化することが知られている。Streaming-Bouncing Displayのさまざまな視覚的特性をもとに、その視覚的メカニズムをさぐるとともに、この現象が聴覚情報によってどのような影響を受けるのかを実験的に検討した。物理的に接触する直前に遮蔽物の後を通過すると、bouncingの知覚が促進されることが明らかになった。しかし、その輝度コントラストを操作した結果、遮蔽物が輝度差によって明示されていない場合には、streamingの知覚が優勢であった。遮蔽の影響は、物理的な衝突の直前の限られた時間に限定されることもわかった。聴覚刺激が衝突前後の限られた時間に提示された場合、これらのbouncingの知覚へのバイアスをさらに加算的に促進する効果があった。これらのことから、遮蔽による知覚的補間に注意の資源が配分されることが、聴覚刺激等と同様の注意の中断効果となり、bouncingの知覚を促進させたものと解釈した。これらの結果の一部は、Vision Research誌に掲載予定である。
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Research Products
(1 results)