2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本植民地期における韓国の日本人移住漁村の空間構成と計画理念に関する研究
Project/Area Number |
05F05275
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
布野 修司 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 重信 滋賀県立大学, 環境科学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 日本人移住漁村 / 河岸部 / 変容 / 空間構成原理 / 計画理念 |
Research Abstract |
日本植民地期における韓国の日本人移住漁村の空間構成と計画理念に関する本研究を行うに当り、初年度の研究として関連文献及び資料調査を通じて日本人移住漁村の形成と発展過程を考察した上で、日本人移住漁村の現況と分布について韓国での現地調査を行った。具体的には既存の島嶼部と沿岸部に関する研究内容に基づいて、韓国の主要5大河川(漢江、落東江、錦江、栄山江、蟾津江)の日本人移住漁村の分布を作成し、その代表的な集落を選定した。 今回の現地調査では、皮切りとして韓国で最も長い河川である落東江に臨み、著名河港である倭館と三浪津を対象にして資料収集及び集落全体の悉皆調査を行った。倭館と三浪津には19世紀後半からそれまで存在していた朝鮮人の集落に日本人が移住・定着して河港集落がとして発達したが、京釜線鉄道の開通(1905年)以降からは鉄道と河港が接して交通・流通・商業・漁業の中心地として本格的に発展したという経緯がある。 特に、三浪津の河港集落は日本人移住と京釜線の開通により、集落の中心部が3回に及ぶ移転過程がみられ、初期日本人移住漁村である上部村(行政区域名:慶尚北道密陽市三浪津邑上部理)を対象とし、集落構造を把握するとともに約13棟の住宅を実測調査した。集落の街路体系は旧本町通(平均幅:4〜5m、長さ:約200m)とそれに直交する狭い路地(平均幅:2〜3m)が骨格となる。旧本町通は基本的に河岸の屈曲に沿って形成されており、さらにそれに直交する方向に敷地割りされ、旧本町通に沿う敷地は基本的に台形となる。また、町並みでは旧本町通沿いの両側には主に住宅と倉庫が並ぶということが特徴である。 今後、三浪津の河港集落について研究成果(学会論文)としてまとめる予定である。
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Research Products
(4 results)