2007 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル地形解析に基づく地形変化の定量化と水環境との関係の研究
Project/Area Number |
05F05286
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小口 高 The University of Tokyo, 空間情報科学研究センター, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 舟 東京大学, 空間情報科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | DEM / GIS / 地形解析 / 台湾 / 河流卓越扇状地 / 土石流卓越扇状地 / 流域 / 動的平衡状態 |
Research Abstract |
台湾の流域における長期の侵食プロセスと土砂生産の特徴を解明するために、山地の流域と、その下方で堆積物を貯めている扇状地の地形構造を詳しく検討した.昨年度抽出した完新世扇状地に加えて、更新世の扇状地を抽出し、データの解析を行い、流域の地質の影響を検証した.また、デジタル標高モデルを用いて統一した基準で扇状地と上流域の特徴を検討し、量的な統計解析を行った.結果は以下のようにまとめられる.1)従来の台湾の研究では、土石流卓越扇状地と河流卓越扇状地は明確には分けられないと指摘されていたが、今回の検討によると、明確な区分が可能である.2)上記の扇状地の区分は地質とは関係がない.3)河流卓越流域は大面積・大勾配(35度と40度の間)であり、扇状地は大面積、小勾配(1度前後)である.4)土石流卓越流域は小面積・小勾配であり、扇状地は小面積かつ勾配が河流卓越扇状地より大きい.5)大勾配の流域に発達する河流卓越扇状地は勾配が小さく、小勾配の流域に発達する土石流卓越扇状地の勾配が大きい.この結論は、従来の扇状地研究で指摘されてきた内容とは大きく異なる. さらに、流域の面積、起伏、傾斜及びsteepness indexなどの地形的特徴が、扇状地の地形の特徴に与える影響を分析し、台湾の急勾配な流域が持つ動的平衡状態に近い地形構造が、既存研究と異なる結果をもたらした可能性を指摘した. また、本年度の研究結果の報告を国際会議、学会などで行い、国際誌に投稿する論文の執筆を行った.
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] GIS analysis of depositional slope change at alluvial-fan toes in Japan and the American Southwest2008
Author(s)
Hashimoto, A., Oguchi, T., Hayakawa, Y., Lin, Z., Saito, K., Wasklewicz, T.A.(2008)
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Journal Title
Peer Reviewed
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