2006 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル地形解析に基づく地形変化の定量化と水環境との関係の研究
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05F05286
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小口 高 東京大学, 空間情報科学研究センター, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 舟 東京大学, 空間情報科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | DEM / GIS / 地形解析 / 日本 / 台湾 / 扇状地 / 流域 |
Research Abstract |
台湾の流域の侵食速度は日本の流域のそれよりもかなり速い。流域における長期の侵食プロセスと土砂生産の特徴を解明する一つの方法は,山地の流域と,その下方で堆積物を貯めている扇状地の地形構造を検討することである。そこで今年度は,40-m DEMを用いて,台湾の面積2km^2以上の完新世扇状地およびその上流域を対象とする地形解析を行った。上流域の面積,起伏,平均傾斜,および扇状地の面積,起伏,平均傾斜,扇頂角度,縦長/横長比といった地形量を求めた。上流域と扇状地の平均勾配と面積との関係から,調査した流域および扇状地は二つのタイプに区分された。Type1は大面積・急勾配(35〜40度)の上流域と,大面積・緩勾配(1度前後)の扇状地で構成される。Type2は小面積・緩勾配の上流域と,小面積・急勾配の扇状地で構成される。Type1とType2では,上流域と扇状地に関する他の地形量の特徴も明確に異なっている。二つのタイプに属する扇状地は,Type1が河流卓越型の扇状地であり,Type2が土石流卓越型の扇状地と考えられる。台湾では,この二種類の扇状地が,地形の特徴によって非常に明白に二分されることが判明した。また,他地域の研究では強い相関が指摘されていた関係(たとえば,流域面積と扇状地勾配との負の相関)が,各タイプにおいて成立していないといった,従来とは異なる見解も得られた。平成19年度には,日本についても同様の解析を行い,結果の比較を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] GIS analysis of depositional slope change at alluvial-fantoes in Japan and the American Southwest.2007
Author(s)
Hashimoto, A., Oguchi, T., Hayakawa, Y., Lin, Z., Saito, K., Wasklewicz, T.A.
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Journal Title
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