2005 Fiscal Year Annual Research Report
全球規模での温暖化による沿岸地下水質の影響と総合評価
Project/Area Number |
05F05289
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
風間 聡 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SARUKKALIGE Priyantha Ranjan 東北大学, 大学院環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | メコン河 / 農業生産 / 水産資源 / 便益評価 / ダイナミックウェイブ / 衛生問題 / 経済モデル / 感染症 |
Research Abstract |
初年度の成果は,大きく(1)水文+水質+塩水浸入モデルの作成,(2)現地観測データの収集,の2つに分けられる.これらの作業の試験地域として宮城県桂島とスリランカ南西海岸域を取り上げた.(1)のモデル作成は3つの部分からなる.1つは陸域の地下浸透量を計算する地表面水収支モデル(水文モデル)である.これは土地利用と土質または地質データから降雨を蒸発散,浸透,表面流出に分配するものである.2つめは水質モデルであり,物質の輸送を拡散式から栄養塩や汚染物質の輸送を推定する.3つめは塩水浸入モデルであり,潮位データと水文モデルから得られた地下流出データから陸域への塩水浸入量を求める.これらのモデルの検証として,湿潤地帯である日本と,半乾燥地域であるスリランカの南西域の観測データを用いた.観測では,現地の井戸において鉛直塩分濃度を定期的に計測すると同時に,地下水利用者へのインタビューを行いここ数年の地下水の環境情報,色やにおい等を収集した.これらをまとめて,地下水ストレスと地下水脆弱性の2つの指標を提案し,地下水涵養量と人口密度から,小島嶼の地下水脆弱度を推定するチャートの作成を行った.この指標を南太平洋,インド洋,カリブ海に適用した結果,水不足の事例と概ね適合し,指標の妥当性を示すことができた. なお,全球規模へのモデル適用を睨んで,全球の数値地図情報の取得とデータベース(気象,海面上昇,人口変動)の作成を並行して行っている.
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Research Products
(1 results)