2006 Fiscal Year Annual Research Report
MEMS技術を用いた一分子・生体単一細胞の評価デバイスの製作と医用応用
Project/Area Number |
05F05290
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金 範ジュン 東京大学, 生産技術研究所, 助教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHO Younghak 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | バイオMEMS / マイクロチャンネル / 生体細胞 / マイクロカンチレバー / インピーダンス |
Research Abstract |
本研究の目的は、半導体微細加工技術で作るマイクロ構造の中で、個別の細胞を物理的に操作し、生体単一細胞を可視化、観測すると同時に化学、電気、機械特性を評価することである。マイクロ流体構造の上に製作した機能的マイクロ構成要素を用いて複雑な化学と生物学上の分析を行なうことができる総合システムの開発を行った。昨年度は、細胞の変形と電気的特性の関係を調べるために細胞の濾過用のマイクロチャンネルと単一細胞の電気的特性の測定用のツインマイクロカンチレバーアレイを持つ新しいデバイスを設計した。そのマイクロ構造や計測用のカンチレバーの製作を行い、試作デバイスの実装と信号入力回路の集積化を実現した。 今年は、半導体微細加工技術を用いて、細胞質の中にDNA,タンパク質、その他の分子を入れる単一細胞の高効率エレクトロポレーション(電気穿孔法)用マイクロチップを開発した。従来の手法としては、ガラスキャピラリーを用いるマイクロインジェクション、細胞に電界を印加して膜に一時的な穿孔を生じさせるエレクトロポレーションやリポソーム等が用いられている。従来の方法では、一度に大量に処理を施すことが出来、設備も簡単で、DNAを直接導入できることが利点であるが、導入効率が悪いし、電圧などの条件設定が難しいのが欠点である。特に、大量の細胞に高い電圧をかけると、細胞への損害が高く効率も低い。また、細胞への遺伝子導入の後も細胞の選別に時間がかかる。そして、細胞への損害を抑える低い電圧を用いて単一細胞のレベルにおいて膨大な種類の微量サンプルを高効率かつハイスループットでエレクトロポレーションを行うことを実現するマイクロチップを製作し、Gene Transferの実験に成功した。
|
Research Products
(4 results)