Research Abstract |
次数dで特異点の最大重複度がυの射影平面代数曲線を(d,υ)型であるという.平成16年度に,当時,博士後期課程の大学院生であったSaleem氏と共同で,(d, d-2)型の有理曲線の研究を行い,その分類とクレモナ変換による構成について成果を得た. これらの研究の延長として,昨年,外国人特別研究員として再来日したSaleem氏と共同で,正種数gを持つ(d, d-2)型平面代数曲線の研究を行っている. まず,種数が正の場合にも,有理曲線の場合と同様の方法で,局所的な特異点の分類を遂行した.この分類に,前回の研究で導入した特異点の重複度列系の概念が有効であった.とくに,特異点の中で尖点の個数は,最大で2g+3個であることがわかった.さらに,双有理幾何の結果として,有限回の2次変換を繰り返すことによって,g=1のときには,非特異3次曲線と,g≧2のときには,標準的な超楕円曲線に変換されることを証明した.また,このプロセスのアルゴリズムを具体的に記述することが可能であることを用いて,与えられた特点のデータを持つ(d, d-2)型平面曲線を構成することに成功した.さらに,いくつかの特異点データに対しては,定義方程式を明示的に求める研究を進めている. 現在,これらの結果を論文としてまとめる作業を進めている.近い内に完成する予定である. 定期的に代数幾何講演会を開催して,来訪研究者と研究情報を交換した.
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