2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05295
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐伯 修 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SADYKOV Rustam Rasikhovich 九州大学, 大学院・数理学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 特異点 / 可微分写像 / 同境群 / 特異ファイバー / ホモトピー集合 / ループ空間 |
Research Abstract |
与えられた特異点型のみを持つ可微分写像の同境群は,可微分写像の大域的特異点論において最近注目されている研究対象である.写像の同境群は,PontrjaginやThomによる多様体に対する同境の概念から自然に派生して出てくるものであるが,写像の特異点を考慮したものは最近になってようやく定義が確立され,詳細な研究が始まったばかりと言って良い.これまでに得られている結果も,各状況に応じた個別的なものが多い.本研究ではそうした特異写像の同境群を,より一般的な立場からシステマティックに研究することが目的であった. そこでまず与えられた特異点だけではなく,より一般に,与えられた特異ファイバーのみを持つ可微分写像の同境群を考えた.このとき,与えられた多様体Mに対し,Mへの可微分写像でそうした特異ファイバーが指定されたもののみであるものの成す同境群を考えると,その特異ファイバーの型に応じてあるループ空間Bが存在し,問題の同境群が,ホモトピー集合[M,B]と同型となることを得た.これは分担者のSadykovがアイデアを出し,佐伯が特異ファイバーの理論の側面から助言をすることによって得られた結果であり,これまでにない新しい結果であって,特異ファイバーに対してb-principleが成立することを示している.しかもこの結果は一般的な立場から得られたものであり,幾何的な問題をホモトピー論に帰着させているため,多くの実際的場面への応用,特に具体的場面での同境群の計算等への応用が大いに期待される.
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Research Products
(5 results)