2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05302
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 昌弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PARK Jae-hyeon 東北大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 素粒子論 / 素粒子物理学 / 超対称性 / フレーバーの物理 |
Research Abstract |
超対称理論は、標準模型に内在するエネルギースケールの自然さの問題を解決するものとしてその存在が有望視されているものであるが、同時に他の標準模型の拡張と同様に大きなフレーバー対称性の破れを引き起こす可能性があり、フレーバーの破れをどのように制御するかということが大きな研究テーマとなっている。本研究では、超対称理論のフレーバーの破れについて広い観点から研究を進める。本年度は、半年間の研究期間であったが、以下のような研究実績を得た。ヘテロ弦理論のあるクラスの低エネルギー有効理論の現象論敵帰結について研究した。この模型はD4という離散的な対称性といくつかのU(1)対称性を有する。これらの対称性はフレーバー対称性とみなされ、特定のパターンの超対称性を破る質量項を与えることになる。こうした項が誘起するフレーバーの破れについて本年度研究を進めてきた。また、最近Wボソンのレプトンへの崩壊が有意に普遍性を破っていることがLEP実験で報告されている。すなわち、LEP実験の4グループの実験が1996年から2000年までに得た結果を総合すると、Wボソンがタウレプトン対に崩壊する分岐比が他のレプトン対に崩壊する分岐比よりも2.8シグマ大きい事がわかったのである。現在これを説明する模型構築を進めている。実際これを説明しうる特走の模型について他の実験などと抵触せずにLEPでの実験結果を説明できるか研究している。これらの研究は、まとまり次第発表する。 さらに、超対称粒子の質量項のフレーバーの破れが引き起こすB中間子系のCP対称性の破れについて総合的な立場から研究を進めてきている。この研究についても結果がまとまり次第論文として発表する予定である。
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