2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05302
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 昌弘 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PARK Jae-hyeon 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 素粒子論 / 素粒子物理学 / 超対称性 / フレーバーの物理 |
Research Abstract |
超対称理論は、標準模型に内在するエネルギースケールの自然さの問題を解決するものとしてその存在が有望視されているものであるが、同時に他の標準模型の拡張と同様に大きなフレーバー対称性の破れを引き起こす可能性があり、フレーバーの破れをどのように制御するかということが大きな研究テーマとなっている。本研究では、超対称理論のフレーバーの破れについて広い観点から研究を進めた。本年度は,超対称大統一理論におけるレプトンセクターとハドロンセクターのフレーバーの破れの構造の比較の研究を行った。超対称大統一理論において,超対称性の破れの項がスクォークとスレプトンの間に関係が着く。これを利用すると,二つのセクターでのフレーバーを破る物理量の間の比較が可能である。特に右巻きと左巻きのスクォーク,スレプトンの世代混合が共にある場合において,こうした解析を世界で初めて行った。結果は超対称性の破れの項のパターン特にゲージーノの質量とスカラーの質量の関係によるが,ほとんどの場合において,レプトンフレーバーの破れすなわちミュー粒子が電子と光子に崩壊するような過程の実験的制限がハドロンセクターの実験的制限よりも感度が高いことが分かった。この結果は今年の夏の国際会議でPark氏によって報告された。現在論文にまとめており,発表する予定である。また,超弦理論から示唆される離散的なフレーバー対称性を持つ模型を考察し,その現象論的帰結について議論した。この結果は論文として発表済みである。
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Research Products
(2 results)