2005 Fiscal Year Annual Research Report
時空の特異点近傍における弦理論のタキオン凝縮の研究
Project/Area Number |
05F05303
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Research Institution | The University of Tokyo |
Host Researcher |
松尾 泰 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授
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Foreign Research Fellow |
JORIS Raeymaekers 東京大学, 大学院理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 超弦理論 / Dブレーン / 双対性 / ブラックホール / Beckensteinエントロピー / 超対称量子力学 / AdS / CFT対応 / 位相的弦理論 |
Research Abstract |
Gaiotto, Strominger, Yinらにより提唱された双対超共形量子力学の視点を用いて弦理論におけるブラックホールの研究を行った。T^2xK3とT^6上のIIA型弦理論におけるブラックホールの研究に焦点を当てて、双対理論の構築を行い、その両方の場合に対しブラックホールの性質が正しく再現されることを示した。特にDabholkar-Harvey状態と双対で超重力近似の第一次では無限に小さなホライズンを持つ「小さな」ブラックホールに対しても適用可能であることを示した。 また関連する話題として以下のテーマを研究中である。 IIA型超弦理論における超対称性を持たないアトラクターブラックホールの研究を行っている。目標はBeckenstein-Hawkingエントロピーの微視的観点からの導出を与えることである。 また同じようなアプローチでチャージを二つ持つD1-D5系を解析中である。D1-D5系におけるDブレーンプローブを構成することに成功した。目標はプローブの理論における束縛状態の言葉でD1-D5系のエントロピーを微視的な観点から導くことである。 また弦の場の理論を用いて初期宇宙の特異点の取り扱いをどうすべきかを議論している。より具体的には時間的な方向にOrbifold特異点がある場合に弦の場の理論を用いてタキオンモードのポテンシャルを計算しその不安定性がどのように解消されるのかを議論している。これまで弦場の理論を宇宙論的に用いてきた例はなかったので、この研究はその最初の例となる。
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Research Products
(2 results)