2006 Fiscal Year Annual Research Report
時空の特異点近傍における弦理論のタキオン凝縮の研究
Project/Area Number |
05F05303
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Research Institution | The University of Tokyo |
Host Researcher |
松尾 泰 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授
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Foreign Research Fellow |
RAEYMAEKERS Joris 東京大学, 大学院理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 弦の場の理論 / AdS?CFT対応 / 状態数の数え上げ / 開弦セクター / Attractor機構 / ブラックホール / エントロピー / BPS状態 |
Research Abstract |
昨年度の研究は複素4次元多様体上にコンパクト化されたIIB型弦模型のD1-D5系の背景中の超対称なDブレーンの配位の研究に焦点を当てた。これらの階はAdS/CFT対応やそれらのDブレーンの極小状態の数え上げの上で重要である。我々の研究ではその世界体積がAdS2を含むホライゾン近傍を記述するAdS3 X S3空間における半BPS状態を分類することに成功した。 またより最近の仕事ではこの解析を1/4 BPSであるD3ブレーン解に拡張した。主な結果としてはこれららの解が持つおもしろい性質、つまりDブレーンモジュライがブラックホールに対するよく知られたブラックホールのアトラクターメカニズムととても似た亜トラクター的な振る舞いを示していること、を指摘した点である。このような機構はAganagic, Neitzke and Vafaにより予想されていたものであるが、いわゆるOSV予想を開弦が入ったセクターに拡張するときに大事な役割を果たすことが予想されているものである。 我々の考察したブレーンの世界体積は2次元球面を含んでおり(p, q)弦のチャージを持っている。超対称な配位は開弦のモジュライがその漸近領域での値に依存せずアトラクター解に近づくことを示している。この機構を支配す方程式は閉弦におけるブラックホールにおけるアトラクター流とよく似ており,BPS方程式は勾配に沿った流れに一致し、2球面がつぶれたAdS2配位とアトラクター解AdS2 X S2の間をつなげている。
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Research Products
(2 results)