2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05307
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久野 良孝 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOSSAIN M.I. 大阪大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | FFAG電磁石 / アルファ線 / ビーム光学 / シミュレーション計算 / 荷電レプトン混合現象 / 位相空間回転 / ミューオン / ミューオン・電子転換課程 |
Research Abstract |
未発見の荷電レプトン混合現象であるミューオン・電子転換過程を探索するために、大強度のミューオン・ビームが必要である。そのために、大阪大学グループは、高強度・高輝度・高純度のミューオン・ビーム源を建設する「PRISM計画」を提案し推進めている。この計画では、ソレノイド磁場による大立体角パイオン捕獲により高強度化を、ミューオン蓄積リングでの位相空間回転法を用いて、高輝度化と高純度化を実現する。ここで、位相空間回転法では、遅いミューオンを加速し、速いミューオンを減速する新しい手法のことをいう。ミューオンの運動エネルギーを揃え、粒子ビームを高輝度化する。この実証試験として、平成17年度より、固定磁場強収束リング(FFAGリング)を建設している。このFFAGリングは6台のFFAG電磁石から構成される。 平成19年度は、6台のFFAG磁石をすべて完成させた。また、FFAG磁石の磁場は非線形であり、その複雑な磁場中での荷電粒子の軌道について、アルファ線を使って研究を進めた。具体的には、1台のFFAG磁石の片側からアルファ線を打ち込み、反対側でそれを検出し、アルファ線源の位置や放出角度を変えることにより、FFAG磁石での荷電粒子の軌道を研究する。それをシミュレーション計算と比較し、FFAG磁石のビーム光学を実験的に確認する。測定器の準備と設置、データ取得とデータ解析は当該外国人研究員と特任研究員、大学院生のグループにより遂行された。取得したデータの予備的な解析からFFAG磁石の磁場およびビーム光学はミューオン蓄積リングとしての性能をほぼ満たしていることがわかった。
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