2006 Fiscal Year Annual Research Report
量子ホール電子系における端状態の位相干渉性とその制御
Project/Area Number |
05F05310
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小宮山 進 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHENAUD Boris 東京大学, 大学院総合文化研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 量子ホール電子系 / 量子ホール端状態 / 核スピン / 電子スピン / 動的核スピン / 超微細相互作用 |
Research Abstract |
量子ホール電子系は、端状態間散乱や試料内部での後方散乱が厳しく抑えられるために、長距離にわたって位相干渉性を有すると信じられており、基礎物性ばかりでなく量子制御の観点からも興味深い系である。従来の実験で著しく長い位相干渉長が示唆されているが定量的には明確になっていない。また、スピン分極した端状態間の非平衡分布が緩和する際に、核スピンに強い偏極を生ずるため、核スピンの局所的制御手段として興味がもたれている。本研究は、新たな実験手法によって量子ホール電子系および量子ホール端状態の位相干渉性の手がかりをえるとともに、スピン分極端状態を用いた核スピン系の局所的制御・検出方法を開拓し、それを端状態のスペクトロスコピー研究に応用することを目的とする。 スピン分極した端状態が生成する核スピン偏極の空間分布プロファイルや時間的ダイナミクスを調べるために、GaAs結晶基板上にGaAs/AlGaAsヘテロ構造結晶をMBE成長し、リソグラフィー加工により前面金属ショットキーゲート電極を有する素子を複数作成し、側面金属ゲートに不電圧をバイアスすることによって、生成した核スピン分極の空間プロファイルを測定した。
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