2006 Fiscal Year Annual Research Report
超低温におけるボーズ並びにフェルミ原子集団の凝縮の理論的研究
Project/Area Number |
05F05311
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
町田 一成 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GHOSH S. 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ボーズアインシュタイン凝縮 / 磁気双極子双極子相互作用 |
Research Abstract |
超低温にある中性原子ガスはその統計性に応じてボーズ凝縮やフェルミ凝縮現象を示す.現在世界各地でこうした系の実験的,理論的研究は拡大の一途を辿っている.その研究の前線も基礎研究から量子コンピューターを見据えた応用研究にまで広がってきた.そうした流れの中で,当該課題においてはボーズ凝縮系に焦点をあてて理論研究を遂行した. 数年前に代表者はボーズアインシュタイン凝縮(BEC)の概念を拡張し,個々のボーズ粒子が内部自由度を有するときのBECの問題を考察し,所謂sbinor BECというフィールドを開拓した.そこではボーズ粒子間の相互作用は接触型の短距離力を考えてモデルを構築した.当該課題ではそれを拡張して,粒子間に磁気双極子双極子相互作用が働く場合のモデルを構築した.これは磁気モーメントが大きい場合からのアプローチで古典スピンモデルに基づく.この長距離力は以前の接触型短距離力の場合とは大きく異なり基底状態の様子も閉じ込めポテンシャルの形状等に大きく依存したスピンの織目模様が出現することがわかってきた.現在この古典スピンモデルから出発して,Gross-Pitaevskii方程式を導き,数値計算によってこの基底状態を求める試みをおこなっている. この双極子双極子相互作用は本質的に異方的な力なので当然閉じ込めポテンシャルの形状に状態は依存する. 最近スピンの大きさが3のCr原子のBECが実験的に実現した.いまのところ磁気トラップのためにスピンの自由度は解放されていないのでスピン分極系であるが,近い将来とこで考察した状況が実現するものと期待される.さらには異種核分子は永久電気双極子を持ちうるので,上のモデルがそのまま成り立つ.それらを念頭におきながらこの研究をさらに進める予定である.
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Research Products
(6 results)