2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05312
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上床 美也 東京大学, 物性研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OVSYANNIKOV Sergey 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ダイヤモンドアンビルセル / 圧力効果 / 重い電子系 |
Research Abstract |
本研究は、重い電子系、強相関物質、酸化物、有機物質等の物質を対象に高圧力を研究中心として多重極限環境(高圧・低温・高磁場)下の物性研究において、圧力誘起超伝導をはじめとする数奇現象の起源とその機構解明を目的とし、トロイダル方式のダイヤモンドアンビル圧力発生装置を用いた、電気抵抗および熱電能の測定を行う。装置を、市販の^3He冷凍機(Heliox)に取り付け温度依存性の測定テストを行った。まず、Pbを用いて、電気抵抗および熱電能の同時測定を行い、低温での圧力較正およびその温度依存性の研究を行った。まだ完全ではないが、少し改良することにより従来の装置で高圧下の物性測定を測定することが可能となる。 平行して、測定試料として、常圧で磁気秩序を示さないYbPd_2Si_2を取り上げ室温における熱電能測定を行った、その結果数GPa程度の圧力で異常を示すことを明らかにした。この圧力は、電気抵抗の温度依存性から明らかになった、この物質が持つ量子臨界圧力とほぼ同じであり、室温においてすでにYbの価数転移が起こっていることを示唆している。 より高圧力を加えた電気抵抗の温度依存性の測定を行うことにより、Ybが高圧下でモーメントを持ち磁気秩序を形成することが期待される。また、測定装置としてはほぼ完成したので、残りの期間でより詳細な研究結果が得られる見込みである。
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Research Products
(1 results)