2005 Fiscal Year Annual Research Report
極性分子ボース・アインシュタイン凝縮体の生成とその量子計算機への応用
Project/Area Number |
05F05316
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 義朗 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AJAY Wasan 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 極性分子 / BEC / 量子計算機 / Yb原子 / Rb原子 / テーパーアンプ / 半導体レーザー / ヘテロ |
Research Abstract |
本研究は、レーザー冷却したYb原子およびRb原子から、光会合等の手法により、超低温分子を生成し、hetero核分子の特異な性質を明らかにするとともに、さらにそれを拡張性のある量子計算機実現の切り札にしようというものである。これまでの生成された分子は、フェルミ粒子同士、ボース粒子同士、であるため、分子としてはボース統計性に従うものであるが、2原子分子の一方がフェルミ粒子の時には、分子として、フェルミ統計性に従うことになり、その振舞いは大変興味深い。また、異なる原子からなる分子の場合は、電気双極子モーメントを有し、この系において期待されている量子計算機への応用を実験的に試みる。まず、本研究で使用するレーザー冷却用の光源の立ち上げを行った。具体的には、Yb原子のレーザー冷却用の399nm用光源を、798nmの外部共振器型半導体レーザーとそのテーパーアンプのシステムを開発した。特に、ttアテーパーアンプのシステムは、温度安定性に敏感で、温度変化によりビームのアライメントが変化し、光出力の再現性に大きく影響することがわかったので、全体をアルミ板の上に設置し、放熱することにより、毎回の立ち上げの再現性を著しく向上させることに成功し、安定して、500mWを生成することができた。また、種光源の外部共振器型半導体レーザーも連続掃引幅が10GHzを超え、極めて安定に動作することも確認することができた。したがって、この出力を、共鳴第2次高調波発生器に入射するだけで、100mW近い399nmの光源が用意できると予想され、準備が完成したといえる。また、スピン禁制遷移を用いた光会合についても研究を進めることができ、ヘテロ分子の生成の準備が整ったといえる。
|
Research Products
(1 results)