2007 Fiscal Year Annual Research Report
マグマ破砕の多様性を生み出す原因と条件:多角的視点からのアプローチ
Project/Area Number |
05F05318
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中田 飾也 The University of Tokyo, 地震研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ショイ ベッティナ 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | マグマ破砕 / 衝撃波管 / 火山噴火 / 噴出物 / マグマ / 実験 / 軽石 / 野外調査 |
Research Abstract |
マグマ破砕は、爆発的噴火の重要な素過程である。マグマ破砕の物理モデルを確立するためには、破砕速度が、破砕の強度、減圧量、気泡含有量、浸透率などにどのように依存するかを、実験的に調べる必要がある。本外国人特別研究員らがこれまでに蓄積してきた実験データを元に、受入れ機関の研究グループは、新しい破砕モデルを提案した(Koyaguchi,Scheu,他、in press)。一方で、これまでの実験のほとんどは、破砕速度の計測方法に不確実性があり、モデルを確立するには不十分であることが分かった。そこで、高速度ビデオを用いた破砕過程の観察と、破砕に伴う圧力変化の計測を重視した、新しい実験を試みた。その結果、これまで考えられてきた破砕モデルとは異なる現象の側面とその詳細が明らかになった。これまでの破砕モデルでは、試料の中を破砕面と呼ばれる破砕の前線が伝播し、破砕が進行するとされ、その前線の前後で、圧力が不連続に変化するものと考えられていた。この描像は、破砕現象を定式化する際の重要な仮定となっている。ところが、可視観察と複数点での圧力計測を同時に行った結果、圧力変化と破砕面の進行は必ずしも同時に発生しないこと、破砕は、不連続面の伝播によって進行するのではなく、ある領域の中で、大きい破片から小さい破片へといくつかの階層構造を形成して進行することが分かった。また、本研究では、浅間火山2004年噴火の噴出物を主な試料とし、破砕速度、強度、気泡含有量、浸透率などの系統的な測定を行った。これらのデータは、今後、噴火モデルの構築に役立てられる。
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Research Products
(4 results)