2006 Fiscal Year Annual Research Report
月探査計画SELENEによる高精度月重力場モデルの開発と月内部詳細構造の解明
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05F05320
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白井 千春 広島大学, RISE推進室, 教授
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Keywords | 衛星追跡 / 月重力場 / 軌道解析 / SELENE / Luner Prospector / VLBI |
Research Abstract |
昨年後に続き、SELENEミッションにおける高精度軌道決定および高精度月重力場モデルのための準備という位置づけでデータ解析を行った。Lunar Prospectorのみならず、Lunar Orbiter、Apollo sub-satellites、Clementine、SMART-1など、SELENE打ち上げ前に利用可能な月探査衛星の追跡データの大部分を処理・解析し、全球月重力場モデルを構築した。Lunar Prospector以外のHistoricalなデータは主に低次の重力場計数の改善に寄与することが分かった。追跡データに対する残差の大きさは野ゾルレベルと同程度であり、データフィットの観点から解析は成功した。NASA/JPLで開発された別の重力場モデルと比較したところ、表側の重力以上の差は小さく、裏側の差は大きかった。このような表側におけるモデル間の大きな差にもかかわらず、両モデルについて軌道決定のパフォーマンスは同等であった。この結果は、月の裏側における探査機の追跡データがSELENEの7-wayドップラーデータ解析の手法が異なれば、裏側の重力以上の解釈も異なりうる事を意味し、SELENEの4-wayドップラーデータの重要性を強調するものである。これらの結果をAdvances in Space Researchに投稿し、平成18年度中に受理された。 SELENEの二つの子衛星には人工電波源が搭載され、VLBI観測をすることによって視線に直行する方向の軌道精度が向上することが期待される。地上設備とデータ解析ソフトウエアの双方の検証の為に、SMART-1のVLBI追跡キャンペーンを行った。データは解析中であるが、このデータタイプの特徴が明らかになりつつあり、SELENEのVLBIデータを円滑に処理するための準備が進められている。
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Research Products
(1 results)