2007 Fiscal Year Annual Research Report
ルソン海峡における黒潮の進入過程とそのフィリピン沿岸環境への影響評価
Project/Area Number |
05F05321
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
郭 新宇 Ehime University, 沿岸環境科学研究センター, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BALOTRO R. S. 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 黒潮 / ルソン海峡 / 南シナ海 / フィリピン沿岸 / 島効果 / 流れの鉛直構造 / JCOPE / 水温計測 |
Research Abstract |
本年度では、フィリピン沿岸海域に設置されていた水温計の回収とデータ解析が主要の研究内容である。水温計は6箇所(Basoc、Ivana、Pagudpud、Palaui、Palanan、Calaguas)で設置されていたが、5箇所(Basoc、Ivana、Pagudpud、Palaui、Calaguas)での水温計を回収できた。回収された水温計から計16本の水温データの時系列が得られた。これらの時系列からフィリピン沿岸での水温変動特性を把握し、さらに日本沿岸での水温計測データとの比較することにより、黒潮内側域での水温変動の相違性を明らかにしたい。 一方、数値モデル(JCOPE)結果の解析も進んでいる。解析結果によると、ルソン海峡での黒潮進入は3つの分枝があり、その形成は島の存在に関連すると考えられる。また、従来では、ルソン海峡での海水交換は鉛直方向のサンドイッチ型の流動構造によるものと認識されている。しかしながら、数値モデルは鉛直方向より水平方向のサンドイッチ型の流動構造を示しており、ルソン海峡での海水交換を考え直す必要を示している。また、ルソン海峡での黒潮進入は2004年が2003年と2005年と違う挙動を持ち、明らかな経年変動を持っている。この経年変動は局地的な効果よらず太平洋海盆スケールで起きる変動と密接に関連することも分かっている。以上の結果は5月に広島大学で行ったPAMS/JECSS(太平洋アジア縁辺海/日本海東シナ海研究)国際研究集会で発表し、国内外の研究者から関心を寄せてきた。
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Research Products
(1 results)