2005 Fiscal Year Annual Research Report
ワイドギャップ微結晶混晶を用いた新型シリコンヘテロ接合太陽電池の研究
Project/Area Number |
05F05328
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Host Researcher |
小長井 誠 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
BANERJEE CHANDAN 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | シリコン太陽電池 / 光起電力効果 / 微結晶SiC / ホットワイヤー法 / ヘテロ接合 |
Research Abstract |
本研究の目的は、エネルギー変換効率20%以上の新型シリコンヘテロ接合太陽電池を実現しようとするものである。初年度にあたる平成17年度は、厚さが150μmのp形ウェハにn形微結晶3C-SiCを低温形成したシリコンヘテロ接合太陽電池の高効率化を図った。 n形微結晶3C-SiCは、ホットワイヤーCVD法により基板温度300℃で形成した。原料にはモノメチルシランと水素を、n形ドーピングにはヘキサメチルジシラザン(窒素)を用いた。ドーピング層の厚さは、約10nm前後である。まず10nmという極薄膜でも十分な導電率を有すること、また均一に製膜されていることを確認した。この窓層の禁制帯幅は2.2eVである。裏面は、p形アモルファスSiあるいは微結晶p形Siによりコンタクトをとった。セル試作の結果、AM1.5のソーラーシミュレータ光照射下で、14.0%のエネルギー変換効率を得た。 ついで、(100)Si表面をアルカリエッチングにより凹凸化させ、光閉じ込め型セルの試作を行った。(100)面のウェハを用いると、表面凹凸化の結果、(111)面が露出するため、n形微結晶3C-SiCの製膜条件の最適化が必要となるが、初期的段階で短絡電流密度36mA/cm^2、エネルギー変換効率14.2%を得ることができた。窓層の大きなワイドバンドギャップに対応して、短波長領域では高い収集効率が得られた。 この他、n形微結晶3C-SiC製膜に関する再現性を検討したところ、フィラメント材料とドーピングガスのヘキサメチルジシラザンの表面反応が安定化するには、十分なエージングを行う必要のあることが分かった。
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