2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05329
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 静雄 京都大学, 国際融合創造センター, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LU J.-G. 京都大学, 国際融合創造センター, 外国人特別研究員
|
Keywords | 酸化亜鉛 / 結晶成長 / ナノ構造 / 伝導性制御 / 銅酸化物 / 酸化ガリウム / ナノ粒子 / 発光時定数 |
Research Abstract |
本研究は、ZnO系半導体における各種ナノ構造を制御することによって、p型伝導をはじめ新規な光・電子物性を創成することを目的とするものである。本年度は実質的な研究期間が4ケ月であることから、研究に用いる成長・評価装置に習熟することと、関連分野の研究動向の調査に主眼を置いた。あわせて、母体となるZnO結晶の成長条件について検討した。 1.成長方法として、ミストCVD技術が有望であると考えられる結果が得られた。この技術は成長時に酸素の過剰圧を加えることができるため、酸素空孔の低減に有効である。これまでこの技術はガラス基板上多結晶の成膜に用いられてきたが、サファイア基板の利用によって単結晶ZnOが得られることがわかった。 2.ミストCVD法によりZnOナノ粒子が得られることがわかり、成長温度が400、500℃において平均直径はそれぞれ10、5mmであった。ZnO薄膜と比較してフォトルミネセンス発光の短波長シフト(320nm@15K)と長い発光時定数(2ns@15K)が得られ、量子効果による高効率の発光再結合を生じることが明らかになった。 3.ZnOのp型化にとって、p型酸化物薄膜との超格子構造による擬似混晶を用いることが考えられる。p型酸化物としてCuGaO_2等が考えられるので、まずGa_2O_3の成長を試みた。その結果、キャリア密度10^<13>cm^<-3>台の高抵抗薄膜が得られ、これを今後高品質CuGaO_2の成膜につなげる一方、Ga_2O_3をpn制御可能な新規ワイドギャップ材料としての進展を図ることを考えている。
|