2007 Fiscal Year Annual Research Report
イオンビームによるシリコンへの希土類元素ドーピングとナノポア穿孔
Project/Area Number |
05F05331
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本岡 輝昭 Kyushu University, 工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHENG Xiangqian 九州大学, 工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | イオンビーム / シリコン / ナノポア / DNAシーケンサー / SOI |
Research Abstract |
本研究では、申請課題「イオンビームによるシリコンへの希土類元素ドーピングとナノポア穿孔」のなかで、特に、イオンビームによるシリコンへのナノポア穿孔に焦点を絞り、新規半導体ナノポアDNAシーケンサーの試作を最終目標としている。この新規デバイスは、不純物を高濃度にドープした超薄膜(〓10nm)結晶シリコン層を表面に有するSilicon-On-Insulator(SOI)基板に、イオンビーム技術を利用して2-3nmの微小孔(ナノポア)を開け、高濃度ドープ超薄膜結晶シリコン層をナノスケール電極として、このナノポアを通過するDNAの一つ一つの塩基をロックイン技法を適用して高周波キャパシタンス測定により高速(〜1μs)で読み取ることを特長としており、国内外に同種の技術は存在しない。特別研究員は特に、SOI基板の超薄膜結晶シリコン層にナノポアを形成するためのイオンビーム技術の確立を目指した。この目的のために、日本原子力研究開発機構の放射線利用関連部門(先端基礎研究センター、高崎量子応用研究所放射線高度利用施設部、及び量子ビーム応用研究部門)との共同研究に基づいて、イオンビームの高度利用による新しいナノポア形成技術の検討を行った。まず、九州大学所有の集束イオンビーム(FIB)装置を用いてSOI基板裏面から掘削加工により表面に約1μm径のポアを形成した。この試料を冷却しながらArおよびSiイオンをエネルギー10keV、ドーズ量をそれぞれ、3.5、3.0x10^<16>/cm^2照射し、イオンビーム照射効果を断面透過電子顕微鏡により解析した。その結果、結晶性Siは非晶質化し、非晶質化に伴う体積膨張による10パーセント程度のポア径の縮小が起こることがわかった。
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Research Products
(3 results)