2005 Fiscal Year Annual Research Report
高効率・高精度レーザー加工のためのリアルタイムモニタリングシステムの開発
Project/Area Number |
05F05333
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
香川 喜一郎 福井大学, 教育地域科学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NASRULLAH 福井大学, 教育地域科学部, 外国人特別研究員・外国人研究者
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Keywords | レーザー加工 / リアルタイムモニタリング / マイクロ加工 / レーザープラズマ / 誘導電流計測法 |
Research Abstract |
高精度のレーザー加工を行うには、レーザーエネルギーやレーザーの集光度等を最適条件に設定する必要がある。従来は試行錯誤によって条件を決めていたが、本研究では、レーザー加工時に同時に発生するプラズマによる誘導電流を計測することで、リアルタイムで加工状態をモニタリングする方法を開発した。また、実用化に向けたシステムを設計・製作し、応用例を示した。 1)レーザー加工のためのリアルタイムモニタリングシステムの構築 (1)加工表面動的観察 (2)加工表面静的・精密観察 (3)プラズマ誘導電流計測 (4)プラズマ発光スペクトル計測 (5)プラズマ発光時間変化計測 の五つの機能からなるシステムを構築した。 2)誘導電流計測のための電極構造・配置に関する検討 加工試料の大きさに拘わらず誘導電流が測定できるようにするため、試料の上部2-3mm上方に試料表面に平行して正・負の電極を向き合って配置し、それによって作る電場がプラズマ部分に到達するよう工夫した。 3)誘導電流計測法による加工モニタリングの応用例 (1)レーザー集光度の検知 レンズと試料表面との距離を変化させて誘導電流を測定した。その結果、焦点のところで先鋭的に誘導電流信号が極大となり、焦点からずれると急激に減少することがわかった。したがって誘導電流信号を測定することでレーザー加工時の焦点決めができることが分かった。 (2)レーザービーム試料貫通検知 レーザー照射による穴あけ加工のモニタリングに誘導電流信号が利用できることが分かった。即ち、レーザービームが試料を貫通する瞬間、レーザープラズマは減衰し、それに伴い誘導電流信号も減衰するので検知できる。プラズマの発光をモニタリングに使用する方法に対して、誘導電流信号を用いれば、室内光やレーザー光の妨害の問題が解決できることが分かった。 (3)ITO膜のスクライビングに応用 レーザー照射によるアブレーション量と誘導電流信号が比例することが確認できた。このことを利用し、誘導電流計測をITO薄膜除去加工のモニタリングに使用し、誘導電流信号から、レーザー繰り返し周波数等を考慮し、試料の最適送り速度を求めることができることを示した。
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Research Products
(1 results)