2005 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質シリコン触媒支持層改良によるシリコン電極薄型燃料電池の高性能化
Project/Area Number |
05F05338
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
早瀬 仁則 東京理科大学, 理工学部, 講師
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BRITO Neto J.A. 東京理科大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 燃料電池 / 触媒・化学プロセス / マイクロ・ナノデバイス / 多孔質シリコン / 陽極酸化 |
Research Abstract |
従来の研究により,多孔質シリコンの空孔率が大きい場合,湿式めっきにより激しい白金析出が観察された.空隙も多く見られ優れた触媒層として期待していたが,湿式めっきの際に,多孔質層が崩壊してしまうことが多かった.多孔質シリコン層表層には走査型電子顕微鏡では観測できない小さな孔径をもつマイクロポーラス層が形成されてしまう.このマイクロポーラス層がめっきによる触媒金属堆積を不安定にしていると考えた.そこで,希アルカリ溶液やプラズマエッチングにより,マイクロポーラス層を除去する方法を開発した.しかしながら,マイクロポーラス層を除去しても,めっき挙動に大きな変化は見られず期待した効果は得られなかった. 従来の研究では,めっき液に添加するふっ酸は白金イオンと同じmol濃度としていた.白金とシリコンが置換する反応を仮定すると,ふっ酸は白金イオンの6倍必要になる.そこで,試行錯誤を繰り返した結果,めっき液に白金イオンの10倍以上のmol濃度のふっ酸を添加することにより,湿式めっき後も崩壊せず安定して厚さ7μm程度の白金が堆積した多孔質層が得られることを見出した.波長分散型X線分光法(EPMA,WDS)により,元素分布を調べた結果,湿式めっき後の多孔質層からはほとんどシリコンの信号が見られなかった.したがって,湿式めっきによりシリコンが白金に置換し,多孔質白金層が得られたと考えられる.電気化学的方法により,白金の比表面積を求めた結果,厚さ7μmの多孔質層において500程度の値,すなわち75m^2/cm^3の値を得た.
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Research Products
(2 results)